大学院入試で避けて通れない「研究計画書」。
そのなかでも最大の難所が「テーマ設定」です。
今回は、心理系大学院受験を前提とした「研究テーマの決め方」について、正攻法から時間がない人向けの方法まで、具体例を交えてご紹介します。
① 正攻法:先行研究から導く
本来、研究テーマは以下の流れで構成するのが王道です。
- 先行研究を読み込む
- 現在の研究の到達点を把握する
- 未解決な問題・研究の示唆を抽出
- 自分の興味と接続し、テーマ化する
特に難関大学院では、テーマが最新の研究トレンドとズレていると評価されにくい傾向があります。
そのため、「トレンドになっている論文」をまず1本見つけて、そこから引用論文や関連文献をたどっていくやり方が最も確実です。
ただしこの方法は、大量の論文を検索・精読する根気と時間が必要になります。
② 応用編:時間がないときのテーマ設定
受験直前などで「正攻法をやっている時間がない」という人向けには、逆算的にテーマを作る方法もあります。
手順はこんな感じ:
- 自分の経験や関心から直感的な仮説を立てる
例:「不登校には対人緊張が関係していそう」 - それっぽいテーマに“先に”落とし込む
例:「不登校児における対人緊張と登校状態の関連」 - あとから文献をあさって“根拠を肉付け”する
例:成人対象の対人緊張研究から関連しそうな指標を抽出する(外出頻度、社交場面の嗜好性など)
このやり方は受験用研究計画書としては有効です。
一方で、大学院入学後にそのまま修士論文のテーマとして進めるには、練り直しが必要になることが多いです。
③ 最後に:研究計画書は「通過点」
あくまで研究計画書は受験のための道具です。
入学後は、教員との指導を受けながらテーマを深め直し、書き直すことも珍しくありません。
つまり、「完璧な研究計画書」よりも、「ちゃんと読める・論理がつながる研究計画書」を目指しましょう。
▶ まとめ
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 先行研究ベース(正攻法) | 評価されやすい/論文にも展開しやすい | 時間と労力がかかる |
| 経験ベース(応用法) | スピーディにテーマを決められる | 後から修正が必要/論文化は難しい |
どちらの方法にも意味があります。
大切なのは、自分の関心と現実的な準備時間を見極め、受験に必要な「説得力あるテーマ」を形にすることです。
受験は情報戦、そして戦略戦。
焦らず、でも確実に、準備を進めていきましょう。



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